【人生100年時代】里山の風情を残す洗練された研究都市
鶴蒔靖夫 著『人生100年時代 いつまでも自分らしく暮らしたい 老後の住まい第3の選択「シニア向け分譲マンション」』は、2016年7月に発行された書籍です。
多くの高齢者が身体的衰えや家族やライフスタイルなど、生活環境の変化にマッチしていない住宅に住み続けている現状を知ることができます。
このページでは、同書より、それぞれの章の内容を抜粋して連載する記事コラムの形にて、皆さんに「人生100年時代」を生きる道標のひとつとして、シニア向け分譲マンションの実情を紹介していきます。
第6回は「第3章 シニア向け分譲マンションでの暮らしを検証」より、
「里山の風情を残す洗練された研究都市」を紹介します。
森の里ニュータウンが位置する本厚木駅は、小田急ロマンスカーも停車するキーステーションのひとつで、ロマンスカーに乗れば44分で新宿に到着する。アクセスの利便性が高いので、首都圏への通勤圏内になっている。
森の里ニュータウンを訪れた人は、まず緑の豊かさに目を奪われることだろう。街には季節に応じた自然の変化を楽しめる遊歩道や公園がいくつもあり、住人たちを憩わせ、楽しませている。街の中心と周辺を貫く道路沿いには桜並木が続き、季節になると頭上はピンクの花びらで覆われる。居住者の話を聞くと、珍しい野草も見られるという。電線は地中に敷かれているので、木々の立ち姿が瀟洒(しょうしゃ)である。「ダイヤモンドライフ森の里」が建つ森の里ニュータウンは、その環境がすばらしい。
街の成り立ちは、とてもユニークだ。
かつてこの一帯には、青々とした自然豊かな森が広がっていた。人家はめったに見えず、深い森から生まれる湧き水を利用した水田が点在し、典型的な里山の光景を有していた。そして、フクロウ、イノシシ、タニシやカエルなど、多くの生き物が生息する土地でもあったという。
ニュータウンの開発にあたって最も優先されたのが、この豊かな自然を守ることだった。その目的のため、緑地の60%以上を確保し保全するという、非常に厳しい条件が掲げられた。
次いで、わが国を代表する企業の研究所や大学・高校などを誘致した。「住む」「働く」「学ぶ」「憩う」という4つの機能を併せ持った複合都市を実現させるための、さまざまな試みが実践されていったのである。
この地への入居が開始されたのは1985年。住民第1号のひとりは「朝は早くから小鳥のさえずりで目を覚まし、夜道を歩くとフクロウの鳴き声が近くから聞こえてきた」と。当時の思い出を語る。
現在は、知的な人々が集まる研究学園都市として、良好な住環境を誇る地域となった。住民のコミュニティ活動もとても盛んで、文化、スポーツ、地域福祉など、多くのイベントが催されている。これらの活動を通して、人々の絆がずっと維持されている。
「森の里」という町名が、ひとつのステイタスシンボルとして、住人に大事にされていることも、なるほどとうなずけた。
その街の中心部に、リゾート風の趣で「ダイヤモンドライフ森の里」は建っているのだ。
こんなすばらしい場所をよく見つけたものだと、みなに感心されるというが、私も最初の印象はまったく同じだった。
聞くと、ダイヤモンド地所・代表取締役の外所行則は、長いあいだ厚木市に住んでおり、森の里ニュータウンのスーパーを利用することもあったという。「森の里ニュータウンはワンランク上の街という印象があり、こうしたところに住んでみたいと思ったものです」と語る。
その森の里ニュータウンにUR都市機構が所有していた更地を、いくつかのいきさつを経て、ダイヤモンド地所が購入する運びとなり、「ダイヤモンドライフ森の里」の建設につながったというのだから、外所と縁のある場所だったのだろう。
著者紹介
鶴蒔靖夫(つるまき やすお)
日本の実業家、ラジオパーソナリティ。
樺太(現サハリン州)生まれ、北海学園大学経済学部中退。フリーライターとして独立。大宅壮一に師事。昭和40年7月株式会社IN通信社(アイエヌつうしんしゃ)を創立して代表に就任。雑誌「人物評論」発行、編集主幹を経て、現在、評論家、ラジオパーソナリティとして活動。
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