【人生100年時代】元気なうちに準備と計画を
鶴蒔靖夫 著『人生100年時代 いつまでも自分らしく暮らしたい 老後の住まい第3の選択「シニア向け分譲マンション」』は、2016年7月に発行された書籍です。
多くの高齢者が身体的衰えや家族やライフスタイルなど、生活環境の変化にマッチしていない住宅に住み続けている現状を知ることができます。
このページでは、同書より、それぞれの章の内容を抜粋して連載する記事コラムの形にて、皆さんに「人生100年時代」を生きる道標のひとつとして、シニア向け分譲マンションの実情を紹介していきます。
第7回は「第4章 シニア向け分譲マンションの特殊性」より、
「元気なうちに準備と計画を」を紹介します。
高齢者の8割以上は持ち家に住んでいる。その長年住み慣れた我が家を離れ、新しい住まいに移ることは、自分の人生の締めくくりにも関係する重要な選択と言っていいだろう。
ある民間の調査会社が、すでに住み替えを行った高齢者に、そのきっかけを問いたところ、回答のトップは「子どもの独立」、2位が「家の老朽化」、3位が「バリアフリーなど老後の安全性を考えて」だった。また、回答者のうちの半数以上が前の家に20年以上住んでおり、家の老朽化は悩ましい問題であったと答えている。
住み替え先は、6割以上がマンションだった。セキュリティに優れていることと、居住の快適さが主な理由で、やはりその部分はマンションの強みであることがわかる。
NPO法人シニアライフ情報センターは、高齢者が住み替える際のチェックポイントとして、次の点をあげている。
◎健康状態、身体状態はどうか。
◎家族の有無と、その関係性はどうか。
◎月の収入は、どの程度か。
◎契約の保証人はいるか。
◎どんな住環境、暮らしを望むのか。
◎どんな医療、介護サービスを望むのか。
◎いつごろ住み替えようと思うのか。
さらにシニア向け分譲マンションならではのチェックポイントとしては、次の点があげられる。
◎運営会社の提供するサービスや設備が、ライフスタイルに合っているか。
◎売却や賃貸がしやすい物件か。
◎生活しやすい立地か。
◎将来、介護が必要になった場合はどうするか。
住み替えチェックをする際の要点は、「何をいちばん遊泉するか」をはっきりさせることだ。自分にとって「これだけは」というサービスを基準におき、それが受けられないところなら迷わずやめるというのが選択のコツである。住替えをしてから後悔をしたのでは遅いのだ。
そして、もし住み替えに関して少しでも関心があるなら、元気なうちに住み替えが完了するように、早めに検討・準備を始めることが大切である。
元気なうちに移り住み、介護予防、医療予防のできる生活を送ることで、健康寿命を延ばすことができる。健康を急激に損ね、必要にかられてから施設に入居すると、重い要介護状態になるリスクが高くなる。
住み替えには、タイミングと準備、それに体力と気力が必要である。どのように人生の終局を生きていくか、早いうちから研究・準備を行い、自分のことは自分で決められるうちに新たなステージを決定すれば、安心と自分らしい生活のバランスをうまく調整していけるだろう。
著者紹介
鶴蒔靖夫(つるまき やすお)
日本の実業家、ラジオパーソナリティ。
樺太(現サハリン州)生まれ、北海学園大学経済学部中退。フリーライターとして独立。大宅壮一に師事。昭和40年7月株式会社IN通信社(アイエヌつうしんしゃ)を創立して代表に就任。雑誌「人物評論」発行、編集主幹を経て、現在、評論家、ラジオパーソナリティとして活動。
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