【人生100年時代】65歳は高齢者か(コラム)|シニア1165(いい老後)
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【人生100年時代】65歳は高齢者か

鶴蒔靖夫 著『人生100年時代 いつまでも自分らしく暮らしたい 老後の住まい第3の選択「シニア向け分譲マンション」』は、2016年7月に発行された書籍です。

多くの高齢者が身体的衰えや家族やライフスタイルなど、生活環境の変化にマッチしていない住宅に住み続けている現状を知ることができます。

このページでは、同書より、それぞれの章の内容を抜粋して連載する記事コラムの形にて、皆さんに「人生100年時代」を生きる道標のひとつとして、シニア向け分譲マンションの実情を紹介していきます。

人生100年時代 いつまでも自分らしく暮らしたい 老後の住まい第3の選択「シニア向け分譲マンション」鶴蒔靖夫 著

第9回は「第5章 元気な高齢者の新しい選択肢」より、
「65歳は高齢者か」を紹介します。

2016年4月に「2020年以降の経済財政構想小委員会」がまとめたメッセージは、これまでの社会のあり方を根底から改めようというエキサイティングな内容で、各方面から注目を集めた。

衆議院議員の小泉進次郎が事務局長になってまとめたメッセージのサブタイトルには「22世紀へ。人口減少を強みに変える、新たな社会モデルを目指して」とあり、その趣旨はひと言で言うと、「人生100年時代にむけた国のかたち」についての提言である。論の根幹には、長いあいだ固定化されたライフサイクルの見直しがある。

これまでの日本は、「20年学び、40年働き、20年休む」というライフサイクルこそがまっとうで幸せになる方程式と確信し、働き方も社会保障も、すべてこれにのっとって組み立てられきた。しかしそれは、20世紀のあいだは非常にうまく機能してきたが、「人生100年時代」になる未来には、もはや通用しなくなる恐れがある。

そこで、かつて幸せになるためにつくられたレールが、いまは閉塞感の源になっているとして、それを「ぶっ壊す」ことを提言(「ぶっ壊す」の発想は、父親譲りだ)。もっと自由に生きていける日本をつくろうと、「レールからの開放」として、政治が用意したひとつの生き方に個人が合わせるのではなく、個人の生き方に政治があわせていくかたちの創出を志すというものだ。

そのなかで、高齢者への見方への根本的な改変があるので、その部分を抜粋してみよう。

「新卒や定年なんて関係ない。『65歳からは高齢者』なんでもうやめよう。現役世代の定義そのものから変えていく」

「それは同時に、働き方・生き方・教育の位置づけ、そして社会保障を見直すことにつながる」

「いま、労働力が減ると言われている。このままだったら2045年には52%にまで減少するが、仮に18~74歳という年齢幅を生産人口としてみると、現在とあまり変わらないと推測される」

「人生100年時代といえるほど長寿化した日本において、まだまだ元気なシニアの方々に活躍いただければ、経済成長も可能であるというあえて楽観的なメッセージにしています」

この小委員会発足のきっかけは、2015年12月におきた「3万円ばらまき」への自民党内若手議員による異議申し立てだったという。現役世代とは本当に65歳までなのかという疑問を持っていたなかで、たとえ低所得者が対象だと言っても3万円支給は高齢世代への優遇に映った。そこで、これから自分たちが生きる国のかたちを考えようと、若手議員が中心になって立ち上がったわけである。

かなり先進的な内容も多く、賛否両論が渦巻いているが、若い世代がこうした挑戦を行うことは、社会を覚醒させる起爆剤になると私は受け止めている。

指摘の通り、いまの65歳を「高齢者」として一律に扱うのは、実像と合わなくなっている。まだ充分に活躍できる社会的能力を「使用済み」にしてしまうのは、社会的な損失でもあろう。ある識者は、65歳以上の人たちも、支えられる側にとどまるのではなく、支える側にまわるという意識改革が必要だと語っている。

著者紹介

鶴蒔靖夫(つるまき やすお)

日本の実業家、ラジオパーソナリティ。
樺太(現サハリン州)生まれ、北海学園大学経済学部中退。フリーライターとして独立。大宅壮一に師事。昭和40年7月株式会社IN通信社(アイエヌつうしんしゃ)を創立して代表に就任。雑誌「人物評論」発行、編集主幹を経て、現在、評論家、ラジオパーソナリティとして活動。

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